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観戦記事|“AGP東京 2017”決勝


偶然か。あるいは必然か。
頂の一歩手前へたどり着いた二人は、以前にも同じような舞台で相対した事がある。
前回行われたAGP大阪の準決勝戦。ファイナリストになるべく塚本浩之と吉本智博は一歩も譲らぬ戦いを繰り広げ、最後は時間切れによって塚本へと軍配が上がった。

あの不完全燃焼な決着から2カ月、再戦はAGP東京2017決勝という劇的なものとなった。
時間無制限。完全燃焼するまで戦い抜ける最高の舞台である。

全ての準備が整ったのち、頂点を決める戦いの火蓋が切って落とされた。

Game 1

後攻 塚本/ルーラー:再生する命運 ルミア
先攻 吉本/ルーラー:決意の少女 シャルロッテ

ファーストアクションは吉本の《無名の霧》。リゾネイター破壊と手札破壊を根幹とするこのデッキにとってこの立ち上がりは上々と言えよう。手札を確認し《聖風の防壁》を抜き取り、続くターンに塚本が展開した《聖域のエルフ》を《魂狩り》で処理する理想的な展開に持ち込むことに成功する。
その後も執拗な手札破壊が続けられる中、《聖域のエルフ》や《聖風の継承者 メルフィ》を展開し我慢の時間を過ごす塚本。手札には《フック船長》を握っているものの、吉本が待機した1枚のカードが重くのしかかる。

しかし、転機が突然訪れるのがカードゲームの面白いところだ。
塚本がデッキからドローしたカードは《研ぎ澄まされし感覚》。それを用いて待機カード《闇に浮かぶ湖月》を破壊し、《フック船長》を場へ送り出す。吉本の魔石を2つ排除した事により戦況が一気にひっくり返った。
この戦況を跳ね返したい吉本であったが、続くターンも再び《フック船長》が登場し万事休す。

まさに神ってる試合運びで塚本が第1ゲームを制した。


塚本 1-0 吉本

Game 2

先攻 塚本/ルーラー:再生する命運 ルミア
後攻 吉本/ルーラー:決意の少女 シャルロッテ

先攻後攻の決定権がある吉本は後攻を選択した。
カードゲームにおいて先攻は圧倒的に有利とされているが、コントロールデッキに関してはその限りではない事も多い。1ターン目のドローの有無は大きく、それがゲームの結果に繋がる事もあるからだ。

ゲームの立ち上がりは塚本の《聖域のエルフ》であったが、返しのターン吉本は《魂狩り》でこれを処理する。《ラピスの魔風》によって手札を根こそぎ奪われてしまう塚本だが、《聖風の使い魔 タマ》を《再生する命運 ルミア》で一時的に除外することで徐々に手札を確保する。戦場に送り出した《紅蓮の聖女 ルミア》は《黒い月光》で処理されるものの前述のドローギミックは止まらない。
潤沢な手札から《かぐやの月光蝶》がX=4でプレイされ、呼び出されたのは《フック船長》。このまま魔石を戻されるわけにいかない吉本は迷いなく《闇に浮かぶ湖月》で応戦しこれを撃退する。

返しのターン今度は吉本の《フック船長》が塚本の魔石を縛るものの、既に展開されていた小型のリゾネイター達の猛攻が続く。ライフが残り1000点を切りそうな場面でシャルロッテのジャッジメントを選択する吉本。《聖魂の魔導師 シャルロッテ》の効果によりライフと同時に手札も回復する。
勢いづいた彼は《無名の霧》で《聖風の防壁》を誘い出し、本命である《フック船長》を通す丁寧なプレイで着実に塚本を追い詰める。


戦闘によって場を崩され、《無名の霧》で《ファリアの召集》を抜き取られ、防戦一方の塚本だが吉本は手を緩めない。《魔剣 レーヴァテイン》を破棄し自分の《聖魂の魔導師 シャルロッテ》に向かって《黒い月光》をプレイ、二度目のジャッジメントを実行し手札とライフを再補充して万全の体制を整える。
いよいよ追い詰められた塚本は《かぐやの月光蝶》で《フック船長》を呼び出し一矢報いようとするが、最後まで《聖魂の魔導師 シャルロッテ》を処理することができずに敗戦を喫した。

白熱の第2ゲームを制した吉本。決着は最終ゲームにまでもつれ込んだ。

塚本 1-1 吉本

Game 3

先攻 塚本/ルーラー:再生する命運 ルミア
後攻 吉本/ルーラー:決意の少女 シャルロッテ

塚本が先制し吉本が追いかける。ここまでの経過は偶然にも前回の対戦と同じものとなった。
結末まで同じものになるとは限らないが、塚本はそれを望んでいる。逆に吉本が思い描く結末は真逆の位置にあるはずだ。最後のカット&シャッフルを終え、雌雄を決する第3ゲームが始まった。

ファーストアクションの《聖風の使い魔 タマ》から小型リゾネイターを矢継ぎ早に展開する塚本。これのバックアップとなるのはやはりタマ+ルミアのドローエンジンだろう。これにより2枚目以降のタマを引き込み、更に展開する。このデッキの基本的戦略の一つである。
防戦を強いられる吉本ではあるが軽量除去でリゾネイターをいなし、塚本の《フック船長》はきちんと《闇に浮かぶ湖月》で無効にするなど手堅いプレイを見せる。
そして返しのターン、2枚の《ラピスの魔風》で塚本の手札を根こそぎ奪い取ることでチャンスを作り出す。

だがこの日の勝利の女神は常に塚本に微笑んでいたのだろう。
手札0からの状況でのトップデックは《フック船長》。確かに《聖風の使い魔 タマ》などでデッキを掘り進めてはいたのだが、このタイミングで駆けつけてくるというのは奇跡に近いかもしれない。
レガリアが手札にも場にもない状態で《覇者のメモリア》2つをバウンスされピンチに陥る吉本。《時空のねじれ》で小型リゾネイターを排除するがフックに手を出す事は叶わず、ここにAGP東京2017の勝者が誕生した。

悲願である優勝という結果を掴み取った塚本。試合後に彼は喜びを爆発させ、この日会場へ来ることができなかった友人へ優勝報告をし、労いの言葉をもらったようだ。そして前AGPで激戦を繰り広げた谷田にも「待っていた。」という言葉を贈られ、世界での活躍を誓った。

“東海一の弓取り” 塚本浩之!

世界はお前を待っている!!